スキップしてメイン コンテンツに移動

【誠実性①】成功に必要な性格特性『誠実性』を深掘りしてみた

今回はビッグ5という性格テストにおける特性の一つ「誠実性」について現時点でわかっていることをまとめていこうと思います。

誠実性とは何か

ビッグ5を構成する特性の一つです。
ビッグ5自体は心理学の教科書にも出てくるような、学術での心理テストと言ったら真っ先に上がってくるポピュラーなテストです。
その分多くの研究が行われ様々なことがわかっています。

誠実性は健康や収入、対人関係などの人生の重要なアウトカムを頑健に予測し、心理的な構成概念としての勤勉性・誠実性の有用性は疑う余地がない。

引用:Big Five パーソナリティ・ハンドブック 


相当太鼓判が押されていますねぇ。
詳しくみていきましょう。

誠実性を構成するもの

実際のテストの内容を見るとどういう特性かがわかりやすいので見ていきましょう!

TIPI-J

TIPIは効率良くビッグ5を測定するために開発された手法です。
たった10項目でビッグ5を大まかに測定可能です。
もちろん詳細なテストの方が精度は高いですが、試しにやってみるならアリではないでしょうか。
こことかで簡単に確認できる。

実際の質問項目が以下のような感じ。
  • しっかりしていて、自分に厳しいと思う。
  • だらしなく、うっかりしていると思う。


BFS(BigFive尺度)

1996年に開発された尺度。(1)
パーソナリティを形容する言葉を評価してもらうことでビッグファイブを測定するという特徴があります。
誠実性で言うと
  • 計画性のある、勤勉な、几帳面な
  • いい加減な、ルーズな、怠惰な、成り行き任せ、不躾な、無頓着な、軽率な、無節操、飽きっぽい
のような項目を評価してもらうわけですね。

日本版NEO-PI-R

1992年に開発されたNEO-PI-Rの日本語版。(1
開発元の論文(2)では誠実性とは以下のようなものだと書いています。

誠実性がある人とは
  • 几帳面、組織的、勤勉さがある人
対照的に誠実性がない人とは
  • 怠惰、無秩序、いい加減な人

誠実性はいきすぎると強迫性パーソナリティ障害になりやすく、なさすぎると反社会性パーソナリティ障害になりやすくなるようです。

日本語版も見ていきましょう。
目標志向的行動における気構え 持久力 、動機づけを評価,頼れるより良いものを求める人とだ らしない人を対照

誠実性が高い人は

  • しっかりした、頼りになる、一生懸命やる、自制心のある、時間を守る、几帳面な、きちんとした、野心のある、忍耐強い
誠実性が低い人は
  • 無目的な、頼りにならない、怠惰な、不注意な、たるんだ、怠慢な、意志の弱い、快楽的な

NEO-PI-Rでは誠実性の下位次元も想定されています。
  • コンピテンス:自分には問題を解決できる能力がある
  • 秩序:順序立てて物事を行う、整理整頓をきちんとする
  • 良心性:倫理や道徳的なものに従い、いい加減でなく信頼できる
  • 達成追求:目標が高く努力を惜しまない
  • 自己鍛錬:物事を継続し達成まで自分を動機づける
  • 慎重さ:自分の行動がどういう結果につながるのか考えて行動する
どれも有能と言われる人が備えているような性質ではないでしょうか。

FFPQ

これも日本人向けに作成されたビッグファイブテスト。(1)
日本人向けに丁寧に作られており精度が高いようです。(2)

誠実性にかかわえる実際の項目は以下の通り。

  • あまりきっちりした人間ではない 
  • 仕事を投げやりにしてしまうことがある
  • よく考えてから行動する
  • 仕事は計画的にするようにしている
  • 責任感が乏しいといわれることがある
  • まじめな努力家である
  • 根気が続かないほうである
  • 几帳面である
  • しんどいことはやりたくない
  • 欲望のままに行動してしまうようなことは,ほとんどない

以下のような下位の項目が想定されています。

  • 几帳面:細かいところまでこだわり、何事にも丁寧にしっかり行う。
  • 執着:難しいものごとでも根気よく続けられるタイプ。
  • 責任感:約束は必ず守り、決めたことを途中で放り出さないタイプ。
  • 自己統制:衝動や欲望に流されずに、感情をコントロールするのがうまい。
  • 計画:綿密なプランを立てるのがうまい。


まとめると

誠実性を構成する要素としては以下のものが共通していそうです。
  • しっかりしている
  • 自分に厳しい
  • 計画性がある
  • 勤勉な
  • 几帳面な
  • 頼りになる
  • 自制心のある
  • 時間を守る
  • 野心のある
  • 忍耐強い
  • 目標志向
  • 慎重さ

社会で求められる能力そのものって感じがしますねぇ。


今回はここまで。

次回から遺伝や具体的なメリットなどを書いていきます!





コメント

このブログの人気の投稿

【誠実性④】真面目すぎる人が受けがちなデメリット

前回まで。 ① ,  ② , ③ 前回は誠実性がもたらすメリットについてみていきました。 どんなものも行き過ぎればあだとなるもの。 誠実性が高すぎると起きるデメリットについてもみていきましょう。 誠実性のデメリット 成果を求められるような状況でパフォーマンスが下がるかも Applied Psychologyというジャーナルに2010年に掲載された論文( 1 )。 この論文では 目標のタイプと誠実性がタスクのパフォーマンスにどう影響しているのか を調べています。 目標のタイプは以下を想定しています。 成果目標:特定の結果を目標とする 学習目標:そのタスクから得られることを目標とする 成果よりも学習に重きを置くほうが ネガティブなフィードバックからも学べる 障害や挫折を乗り越えやすい 逆に成果に重きを置くほど 失敗への懸念や不安に振り回されやすい 失敗した時に自尊心を守るためにタスクを辞めちゃう なんとなくわかる気がする。 加えて 誠実性の高い人は、目標達成に向けて努力する傾向があり、これが逆にストレスになってパフォーマンスが下がる ということがあります。 この目標のタイプ(成果か学習か)と誠実性(高いか低いか)の組み合わせによって、タスクのパフォーマンスやネガティブなフィードバックへの反応が異なるのかを調べたと。 で実験してみたところ以下ような結果が出たようです。 学習目標が与えられたとき、誠実性が高い人は誠実性が低い人よりもパフォーマンスが高くなる 成果目標が与えられたときは、誠実性が高い人の方が誠実性が低い人よりもパフォーマンスが低くなる 誠実性が高い人ほどネガティブフィードバックにストレスを感じていた なかなか面白い結果ですねぇ。 誠実性が高い人ほど学習に重きを置いて目標を立てるとよさそうです。 誠実性が高くなりすぎると仕事のパフォーマンスは下がるかも 2023年にFinancial Engineering and Risk Managementという雑誌に掲載された論文( 2 )。 この論文では誠実性(特に責任感)と仕事のパフォーマンスが逆U字の関係にあるのではないかと考えて調査を行いました。 結果としては仮説を支持するような分析結果が出たと。 つまり、 責任を強く感じすぎちゃうと逆に仕事のパフォーマンスが下がってしまう 。 何事もほどほどが大事。 セ...

【時間的展望①】時間的展望とは何か?

時間的展望とは字の如く時間に対する人の認識のことです。 時間に対する考え方や態度について科学の世界で研究が進められています。 よりわかりやすく実践的にまとめられた本に YOUR TIME というのがありますね。 とはいえ、馴染みのない概念だと思うので時間的展望がどういったものなのかまず見ていきましょう! 時間的展望とは何か この本 の中で紹介されている定義を並べていきましょう。 ある一定時点における個人の心理学的過去、および未来についての見解の総体 Lewin. Kによる最も有名な定義。  心理学的未来や過去を現在の事態に関連づける過程  Frankによる定義。 個人の心理学的な過去・未来・現在の相互連関過程から生み出されてくる、将来目標・計画への欲求、将来目標・計画の構造、および、過去・現在・未来に対する感情 都筑による定義。 まぁ分かりづらいですが、 過去・現在・未来という時間に対して個人がどう認識しているのか というのが時間的展望と言えそうです。 過去を否定的に捉えたり、未来を肯定的に考えたりなどすることが人の行動や人生にどんな影響があるのかを調べているのですね。 時間的展望は人生に関係する? 時間に対してどう思っているかで、何か人生が変わるのでしょうか? 実際の研究を見てみましょう。 2021年にPsychological Bulletinに掲載されたメタ分析を見てみましょう( 1 )。 先行研究では時間的展望が健康、学業的成功、経済的成功などあらゆる人生の成果に関連していることが示されています。 時間的展望がこのように人生に影響を与えるメカニズムとして、研究者たちは 自己調整プロセス が関連しているのではないかと考えています。 自己調整とは、「自分自身をコントロールすること、特に望ましい基準に自分を合わせること」を意味し、人々が経験する成果において極めて重要な役割を果たします 誠実性、自制心とも被るような概念ですねぇ。   自己調整は以下のようなプロセスによって実現されているようです。 どの目標を追求するかを決定すること その目標を達成するための行動をとること 進捗をモニタリングすること 目標達成の妨げとなる誘惑や困難を退けること 合計で378本分の論文のデータを分析した結果、上記に挙げたような自己調整プロセスと時間的展望の関連...