スキップしてメイン コンテンツに移動

【誠実性②】誠実性はどこまで遺伝で決まる?年齢によって変化はある?

前回まで。


前回は誠実性がどういったものなのか、実際のテストを見てみて理解を深めていきました。
今回は誠実性と遺伝といったとこを見ていきましょう!

誠実性は遺伝で決まる?

パーソナリティと遺伝を調べた2015年のメタ分析(1)を見ると、ビッグ5の誠実性は31%と試算されていますね。標準誤差がまま大きいのでばらつきが大きくあまり信頼できなしなさそうです。
他の特性を見ても大体30〜50%にあるようなので、約半分かそれ以上は遺伝が関係しているのかもなーという感じですかね。

遺伝率という数値はデータ内でのばらつきを表す指標でしかないので、あまり遺伝率が高いOR低いからといってそれで決まったりするとは言えないです。
遺伝率の解説はこの本がわかりやすい。

話を戻すと誠実性を形作るには半分以上くらいは環境が重要ということが言えそうです。
例えば、学校の宿題を期限内に取り組むとか、定職にちゃんと就くなどの経験が性格を形作っていくわけですねぇ。

誠実性は年齢によって変わる?

年齢があがっていくにつれ、大人になり自分を制することが求められると思います。
そうなると性格も変化していくのでは?

性格は人生の中で変化するのかを調べたメタ分析(2)を見てみると、誠実性は年齢によって変化が起きる可能性があることが示唆されています。

特に10〜20代の間はあまり変化がなく、30歳以降に徐々に増加していく傾向が見られるようです。


やはり、社会人という人生経験が誠実性を形作るのかしら。。

次回は誠実性にはどんなメリットがあるのかなど見ていきましょう!

コメント

このブログの人気の投稿

【誠実性④】真面目すぎる人が受けがちなデメリット

前回まで。 ① ,  ② , ③ 前回は誠実性がもたらすメリットについてみていきました。 どんなものも行き過ぎればあだとなるもの。 誠実性が高すぎると起きるデメリットについてもみていきましょう。 誠実性のデメリット 成果を求められるような状況でパフォーマンスが下がるかも Applied Psychologyというジャーナルに2010年に掲載された論文( 1 )。 この論文では 目標のタイプと誠実性がタスクのパフォーマンスにどう影響しているのか を調べています。 目標のタイプは以下を想定しています。 成果目標:特定の結果を目標とする 学習目標:そのタスクから得られることを目標とする 成果よりも学習に重きを置くほうが ネガティブなフィードバックからも学べる 障害や挫折を乗り越えやすい 逆に成果に重きを置くほど 失敗への懸念や不安に振り回されやすい 失敗した時に自尊心を守るためにタスクを辞めちゃう なんとなくわかる気がする。 加えて 誠実性の高い人は、目標達成に向けて努力する傾向があり、これが逆にストレスになってパフォーマンスが下がる ということがあります。 この目標のタイプ(成果か学習か)と誠実性(高いか低いか)の組み合わせによって、タスクのパフォーマンスやネガティブなフィードバックへの反応が異なるのかを調べたと。 で実験してみたところ以下ような結果が出たようです。 学習目標が与えられたとき、誠実性が高い人は誠実性が低い人よりもパフォーマンスが高くなる 成果目標が与えられたときは、誠実性が高い人の方が誠実性が低い人よりもパフォーマンスが低くなる 誠実性が高い人ほどネガティブフィードバックにストレスを感じていた なかなか面白い結果ですねぇ。 誠実性が高い人ほど学習に重きを置いて目標を立てるとよさそうです。 誠実性が高くなりすぎると仕事のパフォーマンスは下がるかも 2023年にFinancial Engineering and Risk Managementという雑誌に掲載された論文( 2 )。 この論文では誠実性(特に責任感)と仕事のパフォーマンスが逆U字の関係にあるのではないかと考えて調査を行いました。 結果としては仮説を支持するような分析結果が出たと。 つまり、 責任を強く感じすぎちゃうと逆に仕事のパフォーマンスが下がってしまう 。 何事もほどほどが大事。 セ...

【誠実性③】収入が高まる性格

前回まで。 ① , ② 前回は誠実性が遺伝で決まるのか?年齢によって変化していくものなのかをみていきました。 今回は改めて、誠実性にはどんなメリットやデメリットがあるのかみていきましょう! 誠実性のメリット 誠実性とお金 1000人分の赤ちゃんから32歳までを追跡調査したコホート研究( 1 )では、10歳までのセルフコントロール能力が大人になってからの、健康や経済的成功を予測するという結果が出ています。あくまで観察なので因果関係はわかっていません。 セルフコントロールは子供自身の報告と親や教師の観察報告で計測されたもよう。 家庭の社会階級やIQも収入などに強く関連していたようですが、セルフコントロールも独立して有意に影響を与えていたよう。 具体的には セルフコントロールが低かった人たちは32歳時点で貯金が少なく、資産形成(持ち家、投資信託など)もしていなかった さらに金銭管理の問題が多く信用トラブルもより多かった セルフコントロールは家庭の裕福さとIQよりも経済的困難さを強く予測する 次もコホート研究のデータを使用した研究( 2 )で、2015年にOxford Economic Papers に掲載されたものです。 イギリス人で赤ちゃんから30歳ごろまでの約3000人のデータを対象としています。 16歳時点の誠実性が成人になってからの収入や健康を予測できるよという結果が出ました。 具体的には 誠実性が高くなると時給が高くなっていく 貯蓄率、生活満足度が高い さらに踏み込んで誠実性の下位項目についても分析をおこなってくれています。 対象となる下位項目は 衝動制御(気を散らさず集中する) 信頼性(責任感を持って物事に取り組む) 決断力(慎重に決断を下す) 秩序性(整理整頓する) この中で賃金に有意に影響を与えていたのは衝動抑制、信頼性のようです。 ちなみに決断力は貯金に影響を強く与えているもよう。 誘惑に負けず、仕事をしっかりやる人が賃金高いのはそりゃそうだって感じですねー。 最後に2023年にEconomic Psychologyに掲載されたメタ分析を見てみましょう。( 3 ) 本論文では、個人の収入とビッグファイブの性格特性との関連について、実証研究のメタ分析的レビューを初めて提供します。 とのことで意外とまだなかったんですねぇ。 このメタ分析では、2001年から2...

【誠実性⑥】誠実性を変えるためのフレームワーク

前回まで。 ① ,  ② ,  ③ ,  ④ ,  ⑤ 今回は誠実性を変える介入に的を絞った論文を見ていきましょう! Personality Disorders: Theory, Research, and Treatmentに2017年に掲載された論文( 1 )。 これはあくまで誠実性を育てるためのフレームワークの提案が内容となっていて、まだこのフレームワーク自体の検証はなされていない。 なのであくまで理論的な話としてありえるかもくらいのものです。 人間の行動は環境に左右される まずは性格と行動についての前提知識です。 たとえ誠実性が高い人でも状況によって行動は衝動的にもなりえます。 社会ゲノムモデルでは 人の行動は特性と状態によって決まる と考えています。 特性とはその人が持っている本来の性格です。 状態は瞬間ごとに現れる思考・感情・行動です。 例えば、誠実性が高いと言う特性を持っている人は、計画をちゃんと立てるという行動が多くなるでしょう。 しかしこれは必ず一貫しているわけではなくあくまで確率的なものです。 誠実性が高い人はその分、計画的だったり目標達成の努力をする確率が高いのだと。 逆に言えば人の行動(状態)を見れば特性をある程度推測できますよね。 整理整頓をちゃんとしてるなー、自分の決めた事をちゃんとやってるなーと言う人は誠実性が高いはずとわかります。 特性が状態を作るならばその逆も可能なのではないか? というのがこのフレームワークの核となります。 つまり、誠実性を上げたいのなら誠実性が高い人の行動を真似れば、そのうち特性も変化しうるのではないかと。 このstateに着目した「ボトムアップ」的アプローチは、エクササイズやスキル習得にたとえることができます。たとえば、自転車の乗り方やピアノの弾き方を繰り返し練習して長期的に身につけるように、誠実な行動を定期的に実践することが、誠実性の向上を促す可能性があるのです。 誠実性を高めるフレームワーク  誠実性を変える最良の方法は、誠実性に関連する「状態(states)」を変え、その変化を定着させ、自動的なものにすることであると私たちは考えています。 この論文では 行動活性化療法 をベースにしたモデルを提案しています。 簡単に言えば行動にフォーカスした心理療法で、日々の...